志望動機は構成を意識する
どんなに熱意ある、内容の素晴らしい志望動機を書いたとしても、それが相手に伝わらなければ全く意味がありません。相手に伝わるような志望動機を書く上で大切なのは、しっかりと構成を組み立て、それに沿って書いていくということです。
もし時系列や構成がバラバラだったら、採用担当者に「結局何が言いたいの?」と思われてしまうでしょう。文章の構成さえまとまっていれば、伝えたい情報が明確になるだけでなく、過不足なく伝えられるようになります。志望動機の構成は、次の4つのことを意識し、書いていきましょう。
「なぜ、志望するのか」という結論から書き出す
結論から書くことで、志望動機や、書き手が何を考えているのか読み手に伝わりやすくなります。一生懸命に書いたとしても、それが最後まで読み進めてもらえるという保証はどこにもありません。
もったいぶって結論を後回しにするのではなく、最初に「なぜ志望するのか」という問いに対する結論から書いていきましょう。
「なぜ、この企業を志望したのか」という理由
志望動機を書く時は、「なぜ、この企業を志望したのか」を念入りに考えて、作成していきましょう。志望理由が伝わらなければ、「うちの会社じゃなくても良いのでは?」と思われてしまいます。
志望理由を伝えることで志望度の高さや意欲が伝わるだけでなく、リサーチ力もアピールできるでしょう。
活かせるスキル、経験など
志望理由が伝わっても、会社に戦力にならないと判断されれば、採用が一気に遠のいてしまいます。活かせるスキルや経験を書くことで、自らその会社の戦力になろうとしているのが伝わりますし、前向きな姿勢をアピールできます。
応募企業にどんなメリットがあるのか伝わるように、前職で培った経験、スキルは必ず書くようにしましょう。
入社後に取り組みたいこと
「入社後にやりたいことは何か」というのも、採用担当者が知りたいことの一つです。これをしっかりと志望動機に書くことで、企業について正しく理解しているかや、仕事に対する向き合い方、向上心などをアピールすることができます。
入社後に取り組みたいことを書けば、「どのような形で企業に貢献してくれるか」が相手に伝わるでしょう。
志望動機を書く前に知っておきたいポイント
志望動機はポイントを押さえながら書くとまとまりのある文になりますし、スムーズに作成できるようになります。志望動機は余計なことは書かず、必要ななことだけを書くことが大切です。ここからは、志望動機を書く前に知っておきたいポイントを5つ紹介します。
転職する理由に立ち戻る
転職理由は、その企業を志望する動機や、応募する企業のどこに魅力を感じたかということに繋がっていきます。転職する理由がないのであれば、志望動機もあいまいなものになってしまうでしょう。
転職する理由に立ち戻ることで、転職に何を求めるのか明確にすることができ、志望動機を書く時や、失敗しない転職に繋がります。
退職から転職へのストーリーを明確に
採用されるためには、転職理由は前向きであることが望ましいです。前向きな転職を伝えるためには、退職から転職への流れを明確にしておくと相手に伝わりやすいでしょう。
就活は自分の将来を明るくするためのもの。退職から転職へのストーリーを明確にし、もっと難易度の高い業務に関わりたい、キャリアアップを目指したいなど、将来の展望を述べることができれば相手からも好印象です。
入念な情報収集が重要
志望動機が書けないのは、志望動機を書くために必要な情報が揃っていないということが考えられます。転職している企業の仕事内容、魅力に感じていること、共感できるポイントなどをしっかり調べておきましょう。
付け焼き刃の内容では、相手を納得させることができません。情報がしっかりと頭の中に入っていれば、志望動機がより明確になり、説得力がある文が書けます。
面接官はなぜ志望動機を聞くのか意図を理解する
面接管がなぜ志望動機を聞くのか、その意図を理解すれば、志望動機に何を書けばいいのか、そして面接で聞かれた時にどう答えるのが正解なのかがわかってくるでしょう。
志望動機を聞く理由は、「企業への理解度の高さや」や、「企業の社風」に合うかどうかを企業が見極めるためです。また、「どうしてもこの会社で働きたい」というような志望度の高さも志望動機を聞く理由の一つ。
志望度が高ければ、どれくらい自社に興味関心を持っているのかというのが伝わります。
志望動機が薄いとそれだけで評価ダウン
志望動機が薄いとそれだけで評価がダウンし、採用者の応募者への興味は失われてしまいます。
志望動機で、転職成功確率は変わってしまうのです。入念に準備し、好印象を持ってもらえるだけでなく、採用担当者を納得させるような説得力ある志望動機を書けるようにしておきましょう。
志望動機の書き方
それでは、志望動機を書いていきましょう。
ここからは、志望動機を書くコツや、書く時に気をつけることなどを9個紹介していきます。志望動機を書き上げた後でも、さらなる改善や見直しとして、以下の要素が入っているかチェックすればより完璧な志望動機が書けるようになるでしょう。
提出方法によって文章量を調整する
書面で志望動機を伝える場合、A4用紙1枚程度に書く方法と職務経歴書に書く方法があります。職務経歴書は5行程度でまとめる必要があるので、要点をしっかり抑え、必要な言葉のみを選んでいきましょう。
A4サイズであればたっぷりと自分の魅力をアピールできますが、情報量が多くなるので、読みやすい文章を心がることが大切です。提出方法に合わせて、表現や文章の内容を工夫していきましょう。
「転職の理由」とあなたの「魅力」を結びつける
自分の能力や適性を活かせるような、相性のピッタリな企業に転職したい。それは、あなただけでなく、応募企業も同じことを願っています。そのため、転職理由と自分の魅力、強みがマッチするように志望動機の表現を工夫することで、採用率も高くなるでしょう。
応募企業を選んだ理由を明確に伝える
応募企業を選んだ理由を明確に伝える、それが志望度の高さをアピールすることに繋がります。なぜ同業他社ではなく、その企業を選んだのかをわかりやすく伝えましょう。
数ある企業の中から、応募企業を選んだ理由を具体的に説明できれば、それが採用担当者の心に響く言葉となります。
会社にどれだけ貢献できるかをアピールする
会社は、自社に大きな利益をもたらしてくれる人材を求めています。自分が会社に貢献できることをアピールすることができれば、会社も「採用したい」「絶対手放したくない」と考えるようになります。
自己分析をしっかりし、能力やスキル、熱意などをアピールして会社の成長に貢献できること、自社に必要な人材であることを示しましょう。
自分の体験・スキル・実績を活かしたオリジナルな内容を書く
自分のやってきた体験やスキル、実績が、応募先が求める人材と一致したり、共通したりすることがあります。企業が求めるものを考え、自身の経験とスキルを照らし合わしながら、志望動機を書いていきましょう。
前の会社で体験したことや、活かせるスキル、志望理由は人それぞれ違います。応募先の情報を集めながら、あなただけのオリジナルの内容の文章で好印象を勝ち取りましょう。
自分と企業の話をバランスよく考えよう
あなたが企業にどんな印象を持っているのか、評価しているのかどうかというのは、志望動機において不要な話題です。大事なのは、自身がどんな思いでその企業を選んだのか、これからどうしていきたいのか伝えること。
それを伝えるのに必要ならば、自分の能力や人柄などを企業の特徴に関連付け、共感できる部分などを伝えていきましょう。志望動機では、企業のことばかり話すのではなく、できるだけ自己PRにつながる話をすることが大切です。
将来のキャリアビジョンも伝えよう
志望動機では、将来のキャリアビジョンも書いていきましょう。将来どんなことをやりたいかを伝えることで、「長年その企業で働く意思を持っている」、「将来性がある人」だと判断されます。企業と人の成長はリンクしているものです。
将来性をアピールすることで、企業に大きな利益をもたらす存在だと思ってもらえます。
経営理念やビジョンとの関連付けも忘れずに
どんな企業にも、今後どのような考え方で活動していくのか、成長していきたいかという経営理念があります。志望動機を経営理念やビジョンとマッチさせることができれば、「この会社に必要な人間だ」と評価してもらえるでしょう。
ただ、「経営理念に共感しました」と伝えるだけではマニュアル通りであり、誰でも書けます。具体的にどの部分に共感したのかを自分の経験を織り交ぜながら、他社の志望動機で使い回すことができないようなオリジナルの言葉で書きましょう。
伝え方や書き方はポジティブに
転職理由が人間関係や、給与や待遇に不満を感じたというネガティブな理由の人も多いでしょう。しかし、それをそのまま伝えてしまうと、「人間関係を理由にまたやめるのではないか」「入社後、もっと条件が良い所を見つけたら退職してしまいそう」とマイナスなイメージをもたれます。
そのリスクを避けるために、「この応募者を採用したい」と思わせるような、ポジティブな表現、伝え方を意識しましょう。