ガンジーの名言散歩

インド独立の父として世界中にも知らない人がいない、マハトマ・ガンジー(=マハートマー・ガーンディー)。

彼が大英帝国からの独立運動を指揮した時に「非暴力、非服従」を提唱したことは有名ですが、 彼がどのような人生を歩み、その人生から、どんな言葉・名言を残したかは詳しく知らない方は多いでしょう。

ガンジーの身なりを見て貧乏な家に育った奴隷であったと勘違いする人も多いですが、実は、彼はお金持ちの子であり、努力して弁護士としても活躍していまもす。

そんなガンジーの残した言葉は、彼の宗教心・信条の具体的展開として、現代の仕事や人間関係に悩む方の参考となるものも数多くあります。

ガンジーがどのような名言を残したか、彼の人生とエピソードを交えて、深堀りしてお伝えします。

Contents

名言の背景としてのガンジーの人生

生まれとインドの慣習に乗った結婚

ガンジーは1869年、 大英帝国時代、現在のインド、グジャラート州の港町ポールバンダル と呼ばれる地で生まれます。

父親はポールバンダル王国の宰相をしてお金持ちであったため、彼も召使いを従えた裕福な環境で生活していたのです。

何不自由なく育ったガンジーはイギリス式の小学校に通い、差別されることもなく育ちます。

小学校時代はやんちゃで、ヒンズー教で禁止されている食べ物を口にしたり、タバコに吸ったりと、今でいう不良タイプだったそうです。タバコ代が足りないときは、家で働いていた召使いからお金をくすねていたと自伝でも語っています。

インドでは幼児婚と呼ばれる慣習があり、13歳の頃にガンジーも 生涯をともにする商人の娘カストゥルバと 結婚をします。

この時期ガンジーは、イギリス紳士に憧れをもっていました。 ですがその後、運命が大きく変わる体験をすることで、数々の名言を残すことになります。

弁護士を目指してイギリスに留学

裕福な家庭に育ちましたが、ガンジーが大きくなるにつれて家庭の台所事情も厳しくなり、そのうえ父親を亡くしてしまいます。

その当時、イギリスに留学して法律を勉強して、弁護士になるのがお金持ちになる方法であった為、末っ子のガンジーはイギリス留学を決意します。

母親からも酒や女を立つように命じられ、 18歳の頃には 兄弟の期待を背負ってイギリス のロンドンで勉学を開始。

この当時からガンジーの意識に変化が生まれ、猛勉強して学校でも一目置かれる存在になります。また肉を立つことで、ベジタリアンに目覚めました。

弁護士になり南アフリカ

イギリスの法廷で仕事をするようになっていたガンジーですが、仕事は上手く見つかりませんでした。 そしてインドに戻り、インド人の実業家に顧問弁護士となるよう誘われたのがきっかけで、南アフリカへ渡ります。

当時南アフリカはイギリスの植民地で、たくさんのインド人が南アフリカで働いていましたが、インド人の弁護士が一人もいませんでした。

南アフリカにたどり着いたガンジーは、初めて人種差別を受けます。 彼が見て体験したのは人種差別の実状であり、 例えば、汽車に乗れば切符を所持していても、人種差別されて降ろされ、通りを歩けば、欧米人専用道路だと言われ暴力を受けます。

挫けそうになったガンジーですが、この状況を見過ごすことができません。頼まれていた仕事の期間が終わっても南アフリカに残り、人種差別と戦うことを選びました。

それが有名な非暴力、非服従運動の始まりです。運動は時が経つごとに他のインド人も参加し始め、途中で逮捕、投獄されながらも差別的な規則の撤廃に成功します。

インドでの運動

南アフリカで約20年間人種差別の為に戦ったガンジーは、その後故郷のインドに戻ります。 帰国したガンジーは祖国でもイギリスから独立させるため、同様に運動を始めます。

インドでは、南アフリカでのインド人差別に対する法案の廃止などのガンジーの功績が認められ、国民議会派の中心人物となります。

しかし運動の最中、イギリスの警察が発砲で多くのインド人を虐殺した事件が起こってしまいます。

インド人によるイギリスへの敵対心は強まり、警察を集団で襲撃してしまったりしたので彼はやむを得ず運動を一時中止せざるを得ないこともありました。

しかしガンジーは戦い続け、インド独立運動に関わってゆきます。

インドの独立と国の分裂、暗殺による最期

1947年、ついにインドはイギリスから独立に成功しますが、ヒンドゥーのインド、イスラムのパキスタンと分離してしまいます。

暴動が起こるのも珍しくなく、ガンジーは断食を行い鎮めていきました。しかし1948年、彼の行為に不快感を覚えたヒンドゥー教の狂信者に襲撃され銃弾を受けてしまい生涯を終えます。

ガンジーの名言は現代にも通じるものばかり

ガンジーは決して自分にできないことは、他人に押し付けたりしませんでした

そしてまた一人の人間にできることは、万人にも可能だと信じていました。だからこそ常に行動で示そうと努力していました。そんなガンジーの名言は、現代にも通じるものがたくさんあります。

ガンジーの名言①
日本語: 目的を見つけよ、手段は後からついてくる。
英語: Find purpose, the means will follow.

ガンジーはいつでも挑戦していました、南アフリカで「アジア人登録法」(8才以上の全てのインド人は、指紋を提出し登録証明書を常に携帯し、違反者は無条件で投獄あるいは南アフリカから追放される)の法案ができた時も、撤廃を求め一人先頭に立ってデモ活動を行いました。

その度に何度も捕まり投獄されますが、決して諦めません。目的があるなら手段は後からついてくる、だから恐れずに踏み出せばいいとアドバイスしてくれています。

ガンジーの名言➁
日本語:速度を上げるばかりが人生ではない。
英語:There is more to life than increasing its speed.

コスパやスピード重視になっている現代には響く、ガンジーの名言です。

効率性重視だけの人生を歩むことが、必ず正解ではないことを伝えています。 時にはスピードを緩めることも大事で、そこから見える景色もあります。スピード重視にすると自己中心的な行動や言動が目立つようになり、心身のバランスをずっと保つのが難しくなります。

ガンジーの名言③
日本語:世界を変えたいなら、まず自分が変わりなさい。
英語: Be the change you wish to see in the world.

これはガンジーの言葉を凝縮した言葉で、一番有名な名言です。

もっともこの名言は、もともとのガンジーの言葉を短縮した言葉のようです。 2011年にニューヨーク・タイムズに報じたものによると、次のような内容です。

世界は自分の写し鏡にすぎない。外界にあるすべての傾向は自分自身の中にある。自分を変えることができれば、世界も変わる。自分の性根を変えた男には、世界も態度も改める。これこそが教えの極意だよ。こんなすばらしいことはない。幸せはここからはじまる。

多くの人は、自分を変えることを怖がっています。ガンジーはこの言葉の通り、自分が変わり、世界を変えた人です。

ガンジーの名言④
英語: Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.
日本語: 永遠に生きるかのように学べ、明日死ぬかのように生きろ

心に刺さる、ガンジーの名言です。生きる時間を逆計算して、歳を重ねると新しいことに挑戦するのを諦める人もたくさんいます。

常に明日死んでも後悔しない生き方をするのは、アップルの創業者でもあるスティーブ・ジョブズにも通じているものを感じます。 いつの時代にも、人の心を動かす人は全力で生きています。

ガンジーの名言⑤
英語: To believe in something and not to live it is dishonest.
日本語:何か信じるものがあるのに、それに従って生きない人間は信用できない。

常に自分の信じることを実行してきたガンジーの名言、人は時に利害関係から嘘をついたりして、自分の信念を曲げることがあるが、それは人間として間違っていることを伝えています。

ガンジーの名言⑥
英語:Eye-to-eye crushes eyes all over the world
日本語:目には目をというやり方では、世界中の目が潰れてしまう

植民地支配が広がり、そして第二次大戦と世界中が血で血を洗う争いを繰り返していた時代、暴力では何も生み出さないことを痛烈に批判しています。

ガンジーの名言⑦
英語:Humans are just the products of their thoughts, they are what they think.
日本語:人間はその人の思考の産物にすぎない、人は思っている通りになる。

ガンジーの思想が垣間見える名言です、思考は現実化します。あなたの考えているそのものがあなたの現実を決めてゆくのです。仏教の因果応報にも通じる考え方で、ガンジーの生涯がそれを証明しています。

ガンジーの名言⑧
英語:There is no path to peace. Peace is the path.
日本語:平和への道はない、平和こそが道なのだ。

平和を愛して、人が平等な権利を持ち、自由になるために活動を続けたガンジー。彼が歩いた道は平和への道ではなく、平和を愛して歩いているそのものが道であるという、禅問答のような含蓄のある名言です。

ガンジーの名言⑨
英語: The weak can never forgive. Forgiveness is the attribute of the strong.
日本語:弱い者ほど相手を許すことができない、許すということは強さの証だ。

ガンジーの死因は、ヒンズー教過激派によって、演説中に銃弾を打たれたことでした。
その時ガンジーは、イスラム教で「あなたを許す」という意味合いがあるイスラム教の作法をして額に手を当てたといわれています。

ガンジーは銃弾に打たれてまでなお、人を憎む気持ちを持たず許す愛を選びました。

ガンジーの名言⑩
英語:Strength is not physical ability, it comes from indomitable will.
日本語:強さとは身体能力ではない、それは不屈の意志から生まれる。

まさに、ガンジーにふさわしい名言です。暴力に頼らず、植民地解放を実現して、人種差別に立ち向かっていった姿は、誰よりも力強く、そして心の奥底から湧き出る不屈の意志から生まれてくるのです。

ガンジーの意志はそれから世界各国に影響を及ぼし、世界に平和的解決方法があることを示しました。強い意志をもっていれば、どんなことも実現可能であることを伝えてくれます。

ガンジーの珠玉の名言⑪~25

★英語:My life is my message
  日本語: 私の人生は私のメッセージだ

ガンジーの運動は教科書に載る程有名となっています。彼はその人生(愛の実践)を通して、我々に愛の強さと平和と勇気を訴えかけています。

★ 英語: If I didn't have humor, I wouldn't have been able to endure this long and difficult battle
日本語: もし、私にユーモアがなければこれ程長く苦しい戦いには耐えられなかったでしょう

ガンジーの言うユーモアとは、人生の潤滑油や喜びに通じるものでしょう。また、しなやかに強く生きることの大切さを私たちに示しています。

★ 英語: Strength does not come from physical capacity. It comes from an indomitable will.
日本語: 強さは肉体的な力から来るのではない、それは不屈の意思から生まれる

実際に体を鍛える行為も継続する本人の意思がなければ成りません。何事も理想へ向けて継続し続けていく不屈の意思が、人間としての心の強さになるのを表す言葉です。

★ 英語: The weak can never forgive. Forgiveness is the attribute of the strong. 
  日本語: 弱い者ほど相手を許すことができない、許すということは強さの証だ

生活していく上で中々相手を許せない場面に出会う時があります。しかし恨み心や呪いの心を続けても、自分も他人も幸福にはなれず、時として相手を許す行為も必要です。許すというのも愛のひとつの現れです。それが人間としての真の強さにつながります。

★ 英語: Happiness is what you think, say, and do
  日本語: 幸福とは考えること、言うこと、することが調和している状態である

仏教的に言えば、「八正道」の「考えることー正思、言うことー正語、することー正業」
にあたります。正しく思うこと、正しく語ること、正しい行い、こられを通じて、正しく調和のとれた生活ー正命を実現できるのです。そしてこれが真の「幸福」への道です。

★ 英語: In the matter of conscience, the rule of majority is useless
  日本語: 良心の問題においては、過半数の決まりは無用である。
★ 英語: Even if you are a minority of one, the truth is the truth.
  日本語: たとえあなたが少数派であろうとも、真実は真実なのです。

多数決は民主主義の原理ですが、民主主義のもとには「良心」が必要です。もし、良心がない人の過半数の意見が集まっても、そこにはまったく価値がなく、より素晴らしい世界をつくっていくには「無用」のものに過ぎません。

たとえ多くの方が同じ意見を述べたとしても、それが、人間としての「良心」に背くものであったり、「真実」でないものであるならば、断固として戦ってゆかなければならないという、ガンジーの強い決意がうかがえる名言です。

★ 英語: A coward is incapable of exhibiting love; it is the prerogative of the brave. 
日本語: 臆病な者は愛を表明することができない。愛を表明するとは勇敢さの現れである。

臆病な者とは自分の利害関係ばかりに汲汲としている人のことでもあります。

真の愛には利害関係はありません。愛とは、自分の利得に関係なく、他の人に施してく気持ちであり、聖なる行為です。時として、自己犠牲の精神も伴います。

その意味で、愛を表明できる方は、無私であり、勇敢であるのです。

★ 英語:  Fear produces a distrust.If someone also stops to be afraid by himself, we'd stop to fight. 
日本語: 恐怖が不信を生むのです。誰か一人でも恐れることをやめたら、我々は争うことをやめるでしょう。

恐怖心は相手への不信を生み、相手へ危害を加えて、争いへと繋がるトリガのようなものです。恐怖こそが闇や魔の武器であることを見抜いたガンジーの光の言葉です。

また恐怖心というものは自己防衛本能の行き過ぎたものであり心の習慣です。恐怖心が生じたならば必ずそれと戦うこと。希望を打ち込むことを新たな心の習慣としたいものです。この言葉に限らずガンジーは様々な恐怖に関した名言を残しています。

★ 英語: It is health that is real wealth and not pieces of gold and silver.
  日本語: 本当の富とは、健康のことであり、金や銀のことではない。

実際健康でなければ様々な行動が制限されてしまいます。仕事はもちろんのこと人間関係にも支障が出てしまうことから健康の大事さが伝わってくるでしょう。

★ 英語: Find the purpose. The means will follow it later.
日本語: 目的を見つけなさい。手段は後からそれについてくるだろう。

ここでいう目的とは、絶対に達成すると心に決めた理想のことでもあります。

その目的が純粋で神様の御心に適っているものであり、それを自分が使命として成就しなければならないものであるならば、その努力の過程で、手段は次々とその姿を現してまいります。

★ 英語: The good thing moves at the speed of a snail.
  日本語: 善きことはカタツムリの速度で動く。

ガンジーの活動はすぐ結果の出るものではありませんでした。善行を重ねる場合はすぐ結果が出るのを期待せず、出るまで辛抱強く続ける、黙々と歩んでゆくことが大事です。

★ 英語:  Our faith has to be the light which always keeps burning. That gives us light and also lights up the neighborhood.
  日本語: 我々の信念は、常に燃え続ける灯火でなければならない。それは我々に光明を与えるだけでなく、周囲をも照らすのだ。

ガンジーの信念からの行動(光)は、数多くの人に影響を与え、数多くの人の心に松明を燈し、真実を実現するための運動へ参加してくれるようになったのです。

★ 英語: You must not lose faith in humanity. Humanity is an ocean; if a few drops of the ocean are dirty, the ocean does not become dirty.
日本語: 人を信じる心をなくしてはいけない。人間性とは広い海のようなもの。数滴の汚れで、海全体が汚れることはない

仏教的には、人間は仏の子としての仏性(ぶっしょう)を宿す存在です。人間性のもとは仏性であり、仏性を磨けば、無限の可能性が花咲いてゆく尊い存在です。だから人はもともと仏の子として素晴らしい存在なのだと信じなければならない。

また、その尊い仏性に背く、数滴の悪いことの汚れで、あまりにも自分自身を自己卑下して汚し過ぎたり、また他の方を極悪非道の存在だと決めつけてはならない。

このように、この名言の奥には、ガンジーの大きな愛の大海があり、許しの慈悲の光が燦然と輝いています。

★ 英語: Nonviolence has no defeat. In contrast, the end of violence is always defeat
 日本語:非暴力には敗北などない。これに対して、暴力の果ては必ず敗北である

非暴力を挙げたガンジーの代表というべき言葉です。暴力を戦争に置き換えれば分かりやすいでしょう。

実際彼が対立した相手であるイギリスも戦争の果てに衰退したのが原因でインドの独立を許してしまいました。

ガンジーの親しみのエピソード

虐げられている人間のために行動を尽くしたガンジーですが、まだ本格的に目覚める前は、意外なエピソードもあります。 

・・子供の頃は悪ガキだった

ガンジーは生まれた頃から聖人だったわけではありません。

むしろ小学生の頃は所謂悪ガキと称される程成績、素行共に問題のある子供でした。

ヒンドゥー教の教えで禁じられている肉食を何度も繰り返し、時には召使いから金銭を盗んだこともあった程です。

・・留学中は英国紳士を目指した

イギリスへ留学している時、弁護士になるための勉学に励んだのはもちろんです。

勉学へ励んだ一方、英国紳士になるため努力をしたというエピソードもあります。

バイオリンの稽古を始め、ダンスをしたりファッションに拘ったりと運動時の姿から考えられない程の行動をしていたのです。

しかし英国紳士として努力していた行為は後にイギリスと対立した際に役立ちました。

・親としても苦労したガンジー

ガンジーは家庭面でも問題を抱えていました。

悩みの種となったのは長男であり、彼は酒に溺れイスラム教へ改宗すると問題行為を行っていたのです。

ガンジーも彼との付き合いは国家の独立より困難と称したりしました。

しかし長男も父親と比較されて蔑まされると堕落してしまう弱さがあったのかもしれません。

ガンジーのように賢者への飛翔を!

本記事では、ガンジーの生い立ちから名言まで紹介しました。

偉人の名言というのは、どんなに時代が変わっても心に響きます。特にガンジーが生きた時代は、写真や映像としてしっかりと残っていて、彼が行った「非暴力・不服従」運動は映像として記録されています。

それがどんなに茨の道だったのか、それでも信念を曲げず人を恨まず人を信じて生きたガンジーは本当に素晴らしい人です。

また、今を生きる人間にガンジーの名言は参考になりますが、彼はこのような言葉も残しています。

「人間の英知を信用しすぎるのは賢明ではない、強者も弱くなるかもしれないし、賢者も間違うかもしれない、と心に留めておくことは健康的である」

人々から崇拝されるようになっても謙虚さが道をつなげてゆくことを押さえたガンジーらしい言葉です。

逆を言えば、弱者もいつしか幸福になる。あなたが賢者へと飛翔することもガンジーは強く願っています。ガンジーの名言が、あなたの元気の出る素になれば幸いです。