ゲーテの名言散歩

今でも世界中の多くの人に愛され続けているゲーテは、 ドイツ出身の偉大なる詩人・作家です。

ファウストなどの作品が特に有名ですが、 その作品群や考え方は長い歴史を超えて、世界各地の文人や、理想を追求する日本の作家にも大きな影響を与えてきました。

83歳で亡くなるまで精力的に小説・詩集・戯曲を発表し、 まさに文豪と呼ぶにふさわしい偉人ですが、ゲーテは文豪としてだけでなく、政治家としても活躍し、地質学や植物学でも成果を残しました。

現代にも受け継がれる作品を数多く残し、神秘的な思想に基づいたたくさんの名言を生み出した人物であるゲーテとは、どんな人だったのしょうか? 

彼の生い立ち、エピソードや名言などからゲーテという人物に迫っていきましょう。

名言の背景としてのゲーテのプロフィール

  文豪として活躍することになるゲーテですが、どのような人生を送ったのでしょうか。ここではゲーテの生い立ちなどについて見ていきましょう。

・・幼い頃から才能を発揮

ゲーテは1749年にドイツのフランクフルトで生まれます。

ゲーテの家はとても裕福で、教育熱心な父親と代々法律家を務める家系だった母親の元で育ちました。

幼い頃からしっかりした教育を受けていて、ドイツ語だけでなく、英語やフランス語など、複数の言語を操れる子供でした。

ゲーテを出世させたいという父親の意向を受けて、16歳になると大学に入学し法律学を学びます。この頃から詩も作っていたようで、10代のうちに創作活動を始めたことになります。

・・本格的な創作活動へ 

大学で法律を学んだ後は弁護士になりますが、次第に文学に傾倒し、 弁護士の仕事の内容に興味を失ってゆきます。

本業は弁護士だったのですが、執筆活動に力を入れるようになり、 1774年に小説「若きウェルテルの悩み」を発表したことで一気に名が知られることとなりました。

この作品の影にはゲーテ自身の失恋や友人の自殺といった経験があったそうです。若きウェルテルの悩みは大ヒットすることになり、ゲーテの名は一気に注目されます。

有名なファウストもこの頃から執筆を始めており、生涯を通して執筆するほどの大作となっていきます。 かくしてゲーテは文学活動に専念するようになり、その後も「エグモント」や「ヘルマンとドロテーア」などの作品を発表し続けます。

1794年頃から親交を深めたシラーとともにドイツ文学の古典主義時代を確立し、シラーが病気で亡くなるまで二人は互いに支え合いました。

1788年頃から知り合いではありましたが、当初はお互いの作品に反感を持ち関係はよくありませんでした。

親交を深めるようになったのは1794年の植物学会で言葉を交わしたことがきっかけだとされています。古典主義時代はシラーの死によって終わるとされるほど二人は仲が良く、現在もお墓は隣り合わせです。

・・晩年のゲーテ 

晩年のゲーテは戦争などもあってなかなか苦労したようです。また、腎臓の病気にかかってしまいその治療をしながらの創作活動となりました。

1806年にはファウストの第一部が完成し、世に発表されます。ファウストには第二部もあり、第二部も第一部完成後、ゲーテが老いてから書かれたことになります。

ゲーテの一番の名作である「ファウスト」は着想から60年後の1831年に完成しました。止まっていた執筆を再び書くよう勧めたのはシラーであり、ゲーテは「シラーと出会っていなかったらファウストは完成していなかった」と語っています。

「ファースト」完成の翌年 832年に82歳で ゲーテは亡くなっています。

亡くなる直前まで作品を発表し、「もっと光を!」という言葉を最後に残したゲーテは、現在も世界中の多くの人に愛され続けています。

ゲーテの名言集(英語&日本語) 人生について

 文豪として活躍したゲーテは多くの名言を残しています。人生について、恋愛について、知識についての三つに分けて具体的な名言を見ていきましょう。

それではまず、人生についての名言から紹介します。

★・英語: If you’ve never eaten while crying you don t know what life tastes like

日本語:涙とともにパンを食べたことのある人間でなければ、人生の本当の味は分からな い。

悔しい思いや辛い経験はなるべくしたくないものですが、ただ楽しく生きるだけでは人生の大切さに気づくことはできません。悔しい思いも辛い経験も人生を豊かにする上で重要なことなのです。

ゲーテは作品を執筆している最中、病に襲われたり妻に先立たれたり辛い経験をたくさんしています。悔しい思いをして人生の意味を理解したからこそ、後世に残るような作品を作り上げることができたのでしょう。

★・英語: Whatever you can do or dream you can, begin it. Boldness has genius, power and magic in it!

日本語:あなたにできること、あるいはできると夢見ていることがあれば、今すぐ始めなさい。向こう見ずは天才であり、力であり、魔法です。

ゲーテが成功したのは行動し続けてきたからです。16歳で入ったライプツィヒ大学は結核とみられる病魔に襲われたことが原因で退学せざるを得ませんでした。

しかしゲーテは勉学へ励むことを諦めず、自宅で療養した後にシュトラースブルク大学へ入学しています。 結果的に、シュトラースブルク大学で多くの友人を作り新しい視点を得たことが作品によい影響を与えることとなりました。

やりたいことがあるならば、迷っているよりとりあえず行動に移すべきです。行動した結果どうなるかはわかりませんが、自分にとって大事な経験となるでしょう。向こう見ずに行動できるのはパワーが溢れているからであり、周囲の人にとって魅力的にうつります。

★・英語:Just trust yourself, then you will know how to live.

日本語:自分自身を信じてみるだけでいい。きっと、生きる道が見えてくる。

人生をどう生きたらよいかわからず途方に暮れてしまうことはよくあります。そんなときはまず自分自身を信じてみましょう。

また幼い頃から愛を与えてくれた両親や友人・知人や先生・近所の方などの笑顔を思い出してみましょう。

誰かに愛されてきたという記憶は自分自身を信じるための大いなる力となります。そして自分もまた他の人のために愛を捧げたいという思いを持ちましょう。そうすると道が見えてきて今後の生き方がわかります。

★Just trust yourself, then you will know how to live.

日本語:自分自身を信じてみるだけでいい。きっと、生きる道が見えてくる。

自分自身を信じることができる奥には、ゲーテのように神様を信じる信仰心が必要です。人間は神の子であるからこそ尊い存在であり、神様を愛するからこそ、神様から与えられた自分という個性を愛し抱きしめることができます。そしてそこから本当の生き筋が見えてきます。
( 参考名言★人間を堕落に導くもっとも大きな悪魔は、自分自身を嫌う心である。
行き過ぎた自己嫌悪の心にも信仰心がなく、それが悪魔の狙う強烈な武器となります )

★ If I had not been willing to lift a stone by himself , and lifted not even two people .

日本語:自分一人で石を持ち上げる気がなかったら、二人でも持ち上がらない。

何事も自分の力だけでやり遂げるくらいの気持ちがなければ、他人の力を借りても結局はうまくいきません。

★ And to not know what is going to go anywhere , it is not in any way that you can go far.

日本語:どこに行こうとしているのかわからないのに、決して遠くまで行けるものではない。

やるべきことや志が明確になっていることが人生成功への道です。

★Humans are shaped by what they love.

日本語:人間はみずからが愛するものごとによって形づくられる。

自分の愛する思いや行動によって、自分の心や魂が彩られ、そしてやがて彫刻のように彫り込まれてゆくのです。

★ A thoughtful person never despises an enemy.

日本語: 思慮深い人は、決して敵を侮らない。

思慮深く賢い人ほど、すぐに有頂天にはなりません。慢心して敵を侮ることで脇が甘くなり、それが失敗や敗北を呼び込みます。

★ When purchasing while young, I grow old, and it’s abundant.

日本語: 若くして求めれば老いて豊かである。

若くしても求めるとはチャレンジすることでもあります。チャレンジしても成功することも失敗することもありますが、それがどちらにしても貴重な経験となり、智慧の光となって晩年を豊かに飾るのです。

★ Think about whether you can live by losing that dream.

日本語:その夢を失くして生きてゆけるかどうかで考えなさい。

あなたの夢や理想や志はどんなところにあるのかを問う言葉です。そしてもし夢を諦めないならば、その夢を実現するための次の一手とは何かを具体的考えて行動を起こすことが必要です。

★あなたの心の底から出た言葉でなければ、他人の心に響くことなどないのです。

心がこもった真実の言葉や心からの愛の言葉でなければ、他人の心には届きません。

★およそ哲学というものは、常識をわかりにくいことばで表現したものにすぎない。

本当にわかっている人は、優しい言葉、誰にでもわかる大和言葉で語ることができます。私達は哲学というと難しくとらえがちですが、ゲーテからすれば哲学は当たり前のことをわかりにくく表現しているだけだったのでしょう。

★ Why doesn’t a bad mouth cease this?When others’ a form of achievements is admitted, people think the carat falls.

日本語:なぜ、このように悪口が絶えないのか。人々は他人のちょっとした功績でも認めると、自分の品位が下がるように思っている。

他人の成功に嫉妬してしまうのは、現代社会でも珍しいことではなく、現代人の心にも刺さる言葉です。人との比較によって自分の価値が上下しないためには、しっかりとした自己確立が必要です。

★三千年の歴史から学ぶことを知らぬ者は、知ることもなく、闇の中にいよ、その日その日を生きるとも。

過去に学べない人間は、闇の中にいるように、何も見えない状態で毎日を生きることになります。

★ I can put up with anything in the world, but I cannot put up with just happy days

日本語: 世の中のことはなんでも我慢できるが、幸福な日の連続だけは我慢できない。

ここでいう幸福とは、 目標もなく夢もなく、単に浮き草のように流されていく日々のことでしょう。ゲーテの本当の幸福とは素晴らしい構想の作品を仕上げるべく邁進する人生だったのかもしれません。

ゲーテの名言(英語&日本語) 恋愛・知識について

それでは次に、恋愛と知識についての名言を紹介します。

ゲーテの名言:恋愛について

 ・英語:It can’t be said that the person who can’t love the fault of the person who loves is loving truly.

日本語:愛する人の欠点を愛することのできない者は、真に愛しているとは言えない。
(愛する人の欠点を美徳と思えない人は、決してその人を愛しているとはいえない。 )

本当に人を愛しているのなら、その人の欠点までも抱きしめてあげること。相手の魂を愛しいと思い包み込んであげることができるでしょう。さまざまな恋愛を経験してきたゲーテだからこそ紡げる言葉だといえます。

・結婚生活はすべての文化の始めであり、頂上である。それは乱暴者をおだやかにするし、教養の高い者にとっては、その温情を証明する最上の機会である。

ゲーテは1788年にクリスティアーネ・ヴルピウスと恋人関係になり、1789年には子どもも生まれましたが籍は入れていませんでした。しかし1806年にフランス兵がゲーテの家に侵入した際、クリスティアーネと他の兵士がゲーテを救ったことがきっかけでようやく籍を入れたのでした。

自分のことを命がけで守ってくれた女性に対して、温情を証明する最上の機会ということなのでしょう。妻となったクリスティアーネは1816年に亡くなっています。

・二十代の恋は幻想である。三十代の恋は浮気である。人は四十代に達して、初めて真のプラトニックな恋愛を知る。

最初で最後の妻と恋人関係になったのはゲーテが39歳のときでした。それ以前はさまざまな女性と恋愛をしてきましたが、いずれもうまくいっていません。

20代の頃は友人の婚約者であるを好きになり、友人とシャルロッテの結婚式が近づくと自殺を考えるまで思いつめました。

20代の後半になると7歳年上の人妻シャルロッテ・フォン・シュタインに恋をします。夫との関係が冷めきっていたシャルロッテはゲーテとの関係を12年も続けました。

ゲーテがイタリア旅行へ出かけたことをきっかけに破局し、クリスティアーネと出会うことになります。 二十代の恋は幻想、三十代の恋は浮気、四十代の恋はプラトニックというのはゲーテの人生がよく表れた名言といえるでしょう。

ゲーテの名言:知識について

・英語:You can say that you know only if you know a little.The more you know, the more suspicion will arise.

日本語:人は少ししか知らぬ場合にのみ、知っているなどと言えるのです。多く知るにつれ、次第に疑惑が生じてくるものです。

ゲーテは文豪として知られていますが、自然科学の研究でも成果を出しています。あらゆることに興味を持ち、探求して深く知ろうと努力したからこそ成果を出すことができたのでしょう。

知れば知るほど不思議な点が出てくるので「知る」ということはとても深いものです。安易に知っていると言う人は、探求心の浅い方と思われます。

・英語: Excessive that it and will know right now all . Snow is coming into view if Tokere.

 日本語:すべてを今すぐ知ろうとは無理なこと。雪が解ければ見えてくる。

本質を理解するのは大変なので、すべてをすぐに知ることはできません。しかし、それは雪が解けるように、確実に知識を取り入れていくことで見えてくるものです。

・英語:Treat anything that seems impossible as if it were possible.

日本語:不可能と思えることであっても、まるで可能であるかのように扱うことだ。

自分にはできない、不可能だと感じてしまうことはたくさんありますが、諦めてしまっては夢は叶いません。可能であるかのようにふるまうことで自信が出てくるのです。自信が出るとアイディアも湧きやすくなります。   

ゲーテのエピソード

ゲーテにはいくつかのエピソードが残されています。

彼は普段どんな人物だったのかを紐解くためにも、エピソードが参考になります。

・・科学者でもあった

ゲーテはとても才能のある人物で、作家としてだけでなく科学者としても活躍しました。

特に植物や鉱物に興味があったようで、これらをテーマに論文を発表しています。

論文を発表できるにはかなりの知識が必要ですので、実に博識だったことがわかります。

・・ナポレオンはゲーテの大ファン?

ナポレオンはゲーテの作品がとても好きだったようです。

実はゲーテとも会ったことがあり、その時ナポレオンはとても喜んでいたそうです。

同時にゲーテの作品についていわゆるダメ出しをし、ゲーテを驚かせたとも言われています。

世界的に有名なナポレオンにさえ影響を与えたのがゲーテの作品なのです。

・・一国のトップに

ゲーテが暮らしていたころのドイツは、複数の国が乱立しているような状態でした。

そのうちの1つ、ザクセンワイマール公国で宰相という地位につきます。

宰相とは日本で言えば総理大臣のようなもので、なんと作家でありながら国のトップでもあったのです。

政治にも長けていた才能豊かなゲーテらしいエピソードです。

国の君主であった人物と知り合いで、政治家をやってみないかと誘われたことがきっかけですが、そこから宰相まで出世するのですから素晴らしい才能を持っていたのでしょう。

実は神秘思想家であったゲーテ

多くの経験をしてきたゲーテは、人生で学んだことを名言として残しています。豊富な勉学とともに実際にさまざまな経験を通して生まれた言葉であるため、現代の私たちの心にも深く響くのでしょう。

ゲーテは文豪であり政治家であり優れた科学者でもありました。数多くの小説や旅行記も生み出し、自然科学者としても活躍しました。 これほど広い分野で成功を収めた人物は、歴史上でもそう多くはありません。

そして、もうひとつ、ゲーテの特徴は、神秘思想家であったということです。もしかしたらこの世を去ったあの世の世界をも実際に観てきていたのかもしれません。あの世の天国や地獄の様子や、魔術や錬金術に至るまで、実にアリアリと詳細に『ファースト』などでは描かれています。

ゲーテの本当の魅力は、実は、霊界などのあの世の世界観をバッグボーンにしたことにあるのかもしれません。

神秘的な思想を背景にして、「人生の意味」などの哲学を探求するとともに、この世的にも学者や政治家の仕事などを通して力を発揮することが、ゲーテ作品を完成させていくために必要だったのでしょう。

要するに、神秘思想を踏まえて真実を探求し、人生の意味を考えながら、興味や関心を抱いたことに対してすぐ行動に移したことに、後世に良き影響を与え続け、大山脈を築くほどの成功の秘訣があったのではないでしょうか。

成功するにはどうすればいいか、人間とはどうあるべきか、迷った時はゲーテの言葉が参考になるでしょう。 豊かな人生を生きるためにもゲーテの名言を心に留めたいものです。