観葉植物の肥料は？【初心者向けおすすめ】種類・使い方・与える時期を徹底解説！

観葉植物を元気に育てるためには、水やりや日当たりだけでなく、「肥料」の知識も欠かせません。初心者向きに、観葉植物に必要な肥料の種類や使い方から、季節ごとの注意点、おすすめ商品までご紹介します。
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観葉植物に肥料は必要？その役割と効果

観葉植物が肥料を必要とする理由とは

鉢植えで育つ観葉植物は、鉢の中に備わっている限られた栄養分だけでは十分に育ちきれません。また、自然界のように落ち葉や有機物が分解されて栄養が補給されることはないため、適宜、適切な栄養を補う必要があります。

肥料不足での植物のサインとは？

①葉の色が薄くなる、➁成長が止まる、③新芽が出ないなどの症状が見られる時は、肥料不足で栄養が足りていないサインです。

肥料が植物の健康に果たす役割

適切な施肥によって、観葉植物は美しく、健康的な姿を保つことができます。根や葉、茎の発達を助け、病害虫への抵抗力を高める効果も期待されます。

肥料の基本知識｜種類と選び方のポイント

液体・固形・緩効性肥料の違いと使い分け

液体肥料：即効性があり、成長期に適しています。

水に薄めて与えるため、速やかに植物に吸収されます。生育が旺盛な春〜秋の間や、肥料切れのサインが見られた時の応急処置として有効です。ただし、効果の持続期間は短いため、定期的に与える必要があります。

固形肥料：ゆっくり効きます。効果の持続時間は緩効性のものよりも短め。

土の上に置くタイプや、土に混ぜ込むタイプがあります。成分が徐々に溶け出すため、効果が現れるまでに少し時間がかかります。追肥として用いられることが多いです。

緩効性肥料：長期間ゆっくりと栄養を供給します。

主に植え替え時や、生育期の初期に元肥として土に混ぜ込むことが多いです。成分が徐々に溶け出すため、数週間から数ヶ月にわたって安定して栄養を供給できます。

有機肥料と化成肥料のメリット・デメリット

• 有機肥料：天然素材由来で土壌改良にも効果がありますが、においやカビの発生に注意が必要です。
• 化成肥料：成分が安定していて効果が早くでますが、与えすぎると根を傷める可能性があります。

元肥・追肥・活力剤の役割と選び方

• 元肥：植え替え時に混ぜ込む肥料のことです。
• 追肥：成長期などに追加で与えるものです。
• 活力剤：肥料ではないが、根の活性化などに役立つ補助アイテムです。

肥料の成分と栄養素｜チッソ・リン酸・カリの働き

肥料の基本成分「チッソ・リン酸・カリ」とは

チッソ（N）：葉や茎の成長を促進します。

植物の体を構成するタンパク質や葉緑素の主成分となります。葉の緑色を濃くし、茎を太く丈夫に育てます。不足すると、葉の色が薄くなったり、生育が悪くなります。特に、成長期の植物に大切な成分です。

リン酸（P）：根の発達と花つきに効果的です。

細胞分裂やエネルギー代謝に関わります。①根の生育を促進し、丈夫な根を育てます。➁花芽の形成を促し、開花や結実を良くする効果があります。不足すると、花つきが悪くなったり、根が発育不良になります。

カリ（K）：健康な生育を維持するために重要な成分です。

植物体内の様々な代謝を助け、全体のバランスと耐病性を高めます。①光合成で作られた養分を植物全体に運びます。➁細胞壁を丈夫にし、病気や寒さ、乾燥などに対する抵抗力を高めます。不足すると、葉の縁が枯れたり、生育が悪くなったり、病気にかかりやすくなります。

微量要素の役割と必要性

鉄、マンガン、ホウ素などの微量要素も植物の健康維持に欠かせません。

• 微量要素は、植物が生きていく上でごくわずかな量しか必要としませんが、光合成や呼吸、酵素の働きなど、重要な生理機能に関わっています。 過不足があると、葉の変色（黄化や斑点など）や成長不良、花つきの悪化などの原因になります。
• 鉄は葉緑素の合成に不可欠です。不足すると葉脈の間が黄色くなることがあります。マンガンは光合成や呼吸に関与します。ホウ素は細胞壁の形成や糖の代謝に関わっています。 通常の肥料の多くは、これらの微量要素もバランス良く含まれています。

肥料には「N-P-K＝8-8-8」などと表記されており、これが三要素の割合を示しています。N-P-K＝8-8-8の場合は、この肥料の正味重量に対して、それぞれの成分が8%ずつ含まれている。バラスの取れた配合という意味になります。植物の種類や育成目的に応じてバランスを選びましょう。

肥料を与えるタイミングと頻度

観葉植物に肥料を与えるベストシーズン

成長期（春〜秋）が肥料のベストシーズン

基本的には、春から秋（気温が15℃以上）にかけての生育期が施肥の適期です。新芽が出始める春先から、夏の生育が最も盛んな時期を過ぎて、秋でも緩やかな生長が続く期間は、植物の生長が活発になるため、肥料を与えます。施肥によって植物の生長をサポートし、より大きく、健康に育てることができます。

休眠期（冬）の肥料は基本的には不要。根を傷めることがある。

冬は施肥を控えるか完全に停止しましょう。観葉植物は休眠期に入るため、植物の生長はかなり緩やかになるか停止してしまいます。この時期の施肥は、かえって植物の根を傷める原因になることがあります。

ただし、植物の種類によっては、冬でも生育が緩やかながら続くものもあります。個々の植物の特性に合わせて、冬でも暖かい室内では、ごく薄めた液体肥料などを少量与えることもあります。しかし、基本的には休眠期は肥料を必要としません。

成長期の施肥の頻度

成長期の施肥の目安

液体肥料: 即効性がありますが、効果の持続期間は短い。月に2〜4回程度、水やりの際に薄めて与えるのが一般的です。製品によって希釈倍率が異なります。

緩効性肥料（置き肥）: 効果がゆっくりと持続。1〜2ヶ月に1回程度。鉢の縁に置くか、土に混ぜ込みます。効果が薄れてきたサイン（葉の色が悪くなってきたなど）が見られたら、追肥のタイミングです。

固形肥料（油かすなど）： 効果が現れるまでに時間がかかり、持続期間は緩効性肥料より短い。追肥として月に1回程度与えます。ただし、有機肥料は過剰に与えると根腐れの原因になることがあるため、注意が必要です。

植物の状態による頻度

• 生育が旺盛な時期: 新しい葉がどんどん出てきたり、株が大きく成長している時期は、目安よりも少し多めに。
• 生育が緩やかな時期（梅雨明け直後や秋の終わりなど）： 生長スピードが落ちてきたら、肥料の頻度を減らします。
• 植え替え直後や弱っている株: 根が傷んでいる可能性があり、肥料は1ヶ月程度控えるか、薄い液体肥料を少量に。
• 開花期・結実期: 花を咲かせたり、実をつけたりする時期は、リン酸を多く含む肥料を、通常よりもやや多めに。

鉢のサイズや用土による頻度

• 小さな鉢: 用土の量が少ないため、肥料成分が流れ出しやすく、肥料切れを起こしやすい傾向があります。そのため、目安よりもやや頻度を上げます。または、効果が持続する緩効性肥料を適切に使うと良いでしょう。
• 水はけの良い用土: 水やりによって肥料成分が流れやすい。やや頻度を高めるか緩効性肥料の併用も。

施肥の注意点

• 肥料の種類を混ぜて使用する場合は、それぞれの肥料の特性を理解し、過剰にならないようにします。
• 肥料を与える際は、必ず薄めて（液体肥料の場合）または量を守って（固形・緩効性肥料の場合）使用します。
• 与えすぎに注意：過剰な肥料は根を傷める原因になります。
• 葉の色が濃すぎる、葉先が茶色く枯れるなどの症状は、肥料過多の可能性があります。葉の色や成長の様子を観察し、肥料が足りているか、多すぎるかを見極めることが大切です。

育てている観葉植物の種類や状態、使用する肥料の種類に合わせて、微調整しながら肥料を与えるのが理想的です。

肥料の与え方・使い方の実践ガイド

肥料の使い方｜元肥と追肥のコツ

元肥：植え替え時に使用。鉢底の土や、用土に混ぜ込んで使用します。

元肥は、植え替え後の新しい根の生育を助け、植物が成長していくための基礎となる栄養分です。

• 緩効性肥料や有機肥料を混ぜ込むのが一般的です。
• 鉢底に置く場合は、根が直接触れて傷むのを防ぐため、ある程度土で覆ってから植え付けます。
• 元肥の効果期間を考慮して、追肥のタイミングを考えます。

追肥：生長中の株に対して使用。

追肥とは、生育状況に合わせて追加で与える肥料です。土の表面に置いたり、液体肥料の場合は水やりの際に希釈して与えます。

• 元肥の効果が薄れてきた頃や、植物の生育が特に旺盛な時期に、必要な栄養分をタイムリーに補給します。
• 液体肥料は即効性があるため、速やかに効果を出したい場合に適しています。
• 固形肥料や緩効性肥料は、効果が持続するため、定期的な栄養補給に適しています。
• 植物の種類や生育段階によって、追肥の種類や頻度を調整することが大切です。

肥料タイプ別の実践方法（液体・固形など）

液体肥料は、製品の指示に従って希釈し、水やりの代わりに与えます。

希釈倍率を間違えると、濃度が高すぎて肥料焼けを起こす可能性があるため、必ず正確に希釈しましょう。生育が活発な時期は薄めの液体肥料をこまめに。休眠期は控えめに与えるのが基本です。

固形肥料は、根に直接触れないように鉢の縁の土の上に置くか、土に軽く埋め込みます。

置く場所が偏ると、根の生育にも偏りが出る可能性があります。鉢の縁に数カ所に分けて置くと良いでしょう。効果が切れてきたら、新しいものと交換します。

緩効性肥料も、固形肥料と同様に与えます。

植え替え時に用土に混ぜ込む場合は、均一になるように混ぜ込むのがポイントです。追肥として置く場合は、効果期間を把握しておきましょう。

肥料と水やりの関係とバランスの取り方

液体肥料を与える際は、水やりのタイミングで、水で適切に希釈した液体肥料を、通常の水やりと同様に与えるのが効率的な方法です。これにより、水やりと同時に肥料成分を鉢全体に行き渡らせることができます。

ただし、施肥のタイミングは注意が必要です。水やりのたびに液体肥料を与えるのは、肥料成分が過剰に蓄積し、根を傷める「肥料焼け」の原因となるため避けましょう。 液体肥料を与える頻度は、一般的には月に数回程度が目安です。

肥料の種類によって、水やりのタイミングを考慮します。例えば、有機肥料は水やりによって徐々に分解され、効果を発揮します。それぞれの肥料の特性を理解し、水やりと肥料のバランスを適切に保つことが、健康な生育の鍵です。

初心者におすすめの肥料

市販されている人気の肥料として、ハイポネックス、マグァンプK、IB化成などがあり、初心者にも扱いやすいと評判です。

家にあるもので代用できる身近な肥料

コーヒーかす、卵の殻、バナナの皮なども、適切に処理すれば簡易的な有機肥料として活用できます。

• コーヒーかす: 窒素やカリウム、リン酸などの成分を含み、土壌改良効果も期待できます。ただし、必ず乾燥させてから少量ずつ混ぜ込むようにしましょう。
• 卵の殻: 主成分は炭酸カルシウムで、植物の骨格を丈夫にする効果や、土壌の酸度調整に役立ちます。細かく砕いてから、少量ずつ土に混ぜ込みます。
• バナナの皮: カリウムを豊富に含み、花つきや実つきを良くする効果が期待できます。細かく刻んで土に混ぜ込みます。

ただし、これらの自家製肥料は栄養バランスが偏っている可能性があり、過剰に与えると虫やカビが発生する原因になります。あくまで補助的な肥料として考え、市販の肥料と併用するのがおすすめです。

植物別や状況･環境による肥料の与え方

パキラやユッカなど人気植物におすすめの肥料

パキラ：チッソ（N）多めのバランス肥料がおすすめ。

パキラは比較的生長が早く、葉を茂らせることを楽しむなら、葉や茎の成長を促進するチッソ成分が多めの肥料がおすすめです。ただし、リン酸（P）やカリウム（K）もバランス良く配合された肥料を与えないと、根の健康維持や全体の生育のサポート力が欠けてしまいます。液体肥料であれば、生育期に月に1〜2回程度、緩効性肥料であれば、2ヶ月に1回程度を目安に与えましょう。

市販の肥料で「観葉植物用」と表示されているものの中には、チッソがやや多めに配合されているバランス肥料が多くあります。もちろん、パキラは、「8-8-8」のような均等なバランス肥料でも、適切な量と頻度で与えれば十分に育ちます。

ユッカ：乾燥に強いので、緩効性肥料でOK。

ユッカは乾燥に強く、肥料を頻繁に必要としません。緩効性肥料を植え替え時や生育期の初めに施すことで、長期間にわたってゆっくりと栄養を供給できます。液体肥料を与える場合は、生育期に月に1回程度、薄めのものを使用するようにしましょう。過剰な施肥は根を傷める原因になります。

ドラセナ：緩やかな成長のため控えめに施肥。

ドラセナは比較的ゆっくりと成長するので、肥料も控えめに与えるのが基本です。緩効性肥料であれば、春と秋に1回程度、液体肥料であれば、生育期に月に1回程度、薄めのものを使用します。肥料の与え過ぎは、葉先が茶色く枯れるなどの肥料焼けを起こしやすいので注意が必要です。

植物の状態や状況による肥料の量と頻度の考え方

観葉植物に与える肥料の量と頻度は、植物の種類・大きさ・成長スピードによって異なりますが、基本は「控えめに・定期的に・様子を見ながら」が原則です。ただし、以下の点を押さえておきましょう。

• 同じ種類の植物でも、株の大きさや生育状況によって肥料の必要量は異なります。小さな株や成長の遅い植物には少なめに、大きな株や生育が旺盛な時期にはやや多めに与えるなど、植物の状態を観察しながら調整します。
• 肥料を与える際は、葉の色や成長具合を注意深く観察し、肥料過多や肥料不足のサインを見逃さないようにします。葉の色や生育が極端に悪くなったりした場合は、肥料の種類や量、与える頻度を見直しましょう。

部屋の環境に合った肥料の選び方（乾燥・日陰など）

乾燥しやすい部屋：水やりの頻度が少ない分、緩効性肥料がおすすめです。

乾燥しやすい部屋では、効果が持続する緩効性肥料が適しています。液体肥料を与えてもすぐに乾燥してしまうためです。

• 緩効性肥料は、植え替え時や生育期の初めに施します。植物に必要な栄養分をゆっくりと供給できます。
• 液体肥料を使う場合は、土がしっかりと湿っているタイミングで、薄めのものを少量与えると良いでしょう。

日陰の多い場所：成長が遅いため、控えめに施肥します。

日陰の多い場所では、肥料も控えめに与えるのが基本です。植物の光合成が十分に行われず、成長も緩やかになるからです。

• 過剰な施肥は、かえって根を傷めたり、徒長（間延び）の原因になります。
• 緩効性肥料なら規定量よりも少なめに。液体肥料なら、さらに薄めて、生育期にごく少量を与える程度にします。

観葉植物の肥料でのよくある質問（Q&A）

Q:肥料は絶対に必要ですか？

A: 植物が生長に必要な栄養素を補給し、丈夫で美しい姿を保つために必要ですが、与えすぎも注意が必要です。

特に鉢植えの植物は、土の量が限られているため、生育に必要な栄養分が不足しがちです。ただし、肥料を与えすぎると根を傷める「肥料焼け」を引き起こす可能性があるため、適切な量と頻度を守りましょう。

Q: 固形と液体、どちらが初心者向きですか？

A: 手軽に使える個体の緩効性肥料がおすすめです。

緩効性肥料は、初心者の方でも扱いやすい肥料です。①効果がゆっくりと持続。➁肥料を与える頻度を少ない。③肥料焼けのリスクも比較的低い。④置くだけ、または植え替え時に混ぜ込むだけでいい、などの利点があります。

Q: 数字が大きい肥料ほど効果が強いの？

A: 効果が強い反面、過剰になりやすいので注意が必要です。

• 肥料のパッケージに記載されているN-P-Kの数値は、それぞれの成分の含有率を示しています。数値が大きいほど成分が多く、効果も強く現れやすいのですが、与えすぎた場合には根を傷めるリスクも高まります。あわせて、即効性のある液体肥料は、希釈倍率や使用量を守ることも非常に重要です。

Q: どこで買うのが一番お得？

A: 人気のネット通販は選択肢が多く、サービスも充実していておすすめです。

• ネット通販では、様々な種類の肥料を比較検討しやすく、まとめ買いや定期購入による割引、ポイント還元などを利用できる場合があります。また、実店舗では見かけないような専門的な肥料が見つかることもあります。ただし、送料や配送日数なども考慮して選ぶと良いでしょう。

Q: 同じ肥料をすべての植物に使ってもいい？

A: 可能ですが、種類によって必要な成分や量が異なるため注意が必要です。

• 基本的には観葉植物用の肥料であれば、多くの植物に使うことができます。しかし、植物の種類によって好む肥料の成分比率や必要とする量が異なります。例えば、葉を茂らせたい植物にはチッソが多めの肥料、花を咲かせたい植物にはリン酸が多めの肥料が適しています。植物の特性に合わせて肥料を選ぶことで、より効果的に育てることができます。